無垢フローリング研磨+オイルフィニッシュ
中古マンションのご購入に伴い、無垢フローリングの改修のご依頼を頂きました。
フローリング材はナラの無垢材で、木製ドア等の造作材と色を合わせるため、着色され、ウレタンクリアーで仕上がっています。
サンドペーパーで研磨し、再度ウレタンクリアーで仕上げれば、価格的にも耐久性的にも十二分な仕上がりとなるのですが、無垢材の質感、触れた際の木肌感、ナラの無垢材ならではの木目を最大限活かす為、あえて費用をかけて、既存のクリアー層を研磨除去し、ひまわり油を主成分とした自然系塗料で仕上げることと致しました。
塗装システム
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フローリングフロアクリアー : 日本オスモ
オスモカラーのフロアクリアーについて少々ご説明させて頂きます。
木材に浸透する自然塗料と木材の上に塗膜を形成するウレタン塗料の機能をそなえていて、自然塗料と合成樹脂塗料の弱点を克服した塗料といえます。
●オイルなどの自然塗料の特徴
メリット
・木に深く浸透する
・塗膜を形成したい為膨れ、ワレ、ハガレが生じない
・植物油の浸透により木目が際立つデメリット
・液体に対して弱く、シミ、汚れがつきやすい
・頻繁なメンテナンスの必要性●ウレタンクリアー等の合成樹脂塗料の特徴
メリット
・塗膜により保護される為、液体に強い
・耐摩耗性に優れているデメリット
・合成樹脂の塗膜によることで触れた際の木の質感が失われる
・経年によりと幕に割れやハガレが生じます
・塗り替えの際、旧塗膜をすべてサウンディング除去の必要があります。
(費用とメンテナンス期間の問題)
・部分補修が困難
(費用と美観の問題)
以下、製品カタログからの引用です。•オスモカラーフロアクリアーは耐久性が要求される床面の塗装に最適です。
•ムクフローリングを始めコルクやOSB材フローリング、耐久性が求められる家具などにお使いください。
•撥水性に優れ、家庭で使用されるあらゆる液体(水、ワイン、コーヒー等)をこぼしてもシミになりません。ドイツ工業規格68861-1C、及びJIS A1531常温液体に対する表面抵抗試験に合格しています。
•木の自然の風合いをそのまま活かした仕上がりです。
Step1研磨
壁面を全面養生した後、グラインダー研磨により、フローリングの表面を削り、木肌が出る状態にします。
尚、着色材が浸透しているため通常よりも深く削る必要があるので、サンダーの取り付けるサンドペーパーは粗いものから順に、#24、#40、#60、の3種類で研磨。
その後、ポリッシャーにて、#80、#150の2段階で研磨を実施いたしました。
Step2オイル1回目塗布
研磨後、掃除機で細かいチリを吸い取り、オイルを塗っていきます。尚、オイルはたっぷり塗ると、無垢材に浸透できない分が厚い膜となって残ってしまい不具合として残ってしまうので、浸透させる分のみ塗布することが大切です。
画像はコテ刷毛を使用し刷り込ように塗布している様子です。
Step3サンドペーパー研磨
オイル1回目を塗布し、1日乾燥させた後、全面的にサンドペーパー研磨を行います。これは、1回目絡んでしまったチリや埃の除去とオイルが膜になってしまっている部分を確認する意味があります。
基本的にこのような住宅の場合は機械ではなく職人の手作業でサンドペーパーをあてます。
画像の電動工具を使用している部分は、サンダーー研磨でも残ってしまった着色剤があり、オイルを塗布しない状態では目立たなかったのですが、1回目のオイル塗布によって残った着色剤が浮き出て目立ってしまった部分を研磨している様子です。
各工程において、残ってしまった不具合を一つ一つ解消しながら次の工程へとすすでいきます。
Step4オイル2回目塗布
Step5その他
フローリングの改修に伴いキッチンの吊り戸棚の補修塗装のご依頼を頂きました。こちらは、質感よりも耐久性を重視するため、着色ウレタンクリアーで仕上げました。