着色ウレタンクリアー仕上の玄関ドア
画像は着色ウレタンクリアー仕上の玄関ドアで、7年程度月日が経過した状態の様子です。
(内側は塗膜の劣化もなく、7年経過した現在でも非常にきれいな状態です)
庇が大きくかかって直射日光や雨が当たらない場合は、たとえ外側でも、美しい家具調の仕上げが長く続きますが、季節や時間帯により直射日光が当たってしまったり、雨で強い風の吹いたときなどどうしても雨があたってしまう場所にある場合は、10年もしますとどうしても塗膜が劣化し剥がれてきてしまいます。
ウレタンクリアーのような造膜型塗料※は浸透型塗料※と異なり膜があるので活膜の場合は非常に耐久性が強いのですが一度剥がれてきますドアの素地と塗膜の間にい雨水が入ってしまい、腐食の要因となってしまいます。
塗膜が剥がれてきてしまいますともとの仕上がりに戻す為には多くの工程は必要になりそそれ応じて相応の費用もかかってまいります。
このような玄関ドアの塗装(塗り替え)を依頼される場合も多いのですが、金額を聞いて驚かれる方が多いので、塗り替え工程をご説明させて頂きます。
<1日目>
金物取外し
養生〔剥離用)
既存塗膜の全面剥離
#240サンドペーパーにより素地調整
<2日目>
養生〔吹付け用)
浸透型着色剤による着色
着色ウレタンクリアー吹き付け
<3日目>
♯320サンドペーパー
着色ウレタンクリアー吹き付け
<4日目>
♯320サンドペーパー
着色ウレタンクリアー吹き付け
通常、木製玄関ドアを上記のような工程を行い仕上げた場合、価格的には人件費+材料費+経費の合計となり、他の工事との兼ね合いでも10~15万円程度の費用がかかります。
玄関ドア単独だけで行った場合はもちろん割高となってしまい、15~20万程度かかってしまう場合もあります。
造膜型塗料と浸透型塗料の比較は「木部塗装」のコンテンツをご参考下さい。
Step1剥離剤塗布
剥離剤を塗布し間隔を置いた後、金ベラで浮いた塗膜を削っていきます。
塗膜が比較的新しく活膜であればあるほど剥離剤と反応し、きれいに浮き上がるのですが、経年により膜が枯れていればいるほど、剥離剤との反応が鈍く浮かないので、<剥離剤塗布+既存塗膜除去>の作業を繰り返します。
もちろん剥離剤が他の部分についてしまいますとその部分の塗膜を剥がしてしまったり、素材をいためてしまう場合がありますので、細やかな養生やマスキングが必要になります。
また、取り外し可能な金具か付いている場合は予め取り外しておきます。
Step2剥離剤除去
剥離剤でもなかなか取れない塗膜はスクレーパーなどの手工具を用いて素材を傷つけないよう落としていきます。
尚、剥離剤で既存塗膜を剥がした後、剥がす際に使用した剥離剤が素材に付着して残っていますと、これから新しくする塗装する塗膜が密着不良となってしまい、何工程もの塗装工程が無駄となってしまうので、シンナーなどの溶剤でやサンドペーパーで残った剥離剤を除去していきます。
以上までは、塗装前の下地処理ですが、多くの場合、一人の熟練職人が丸一日、もしくはそれ以上の時間を費やします。
Step3素地着色
既存塗膜を剥離及び残剥離剤除去後、再度サンドペーパー♯240程度で素地調整を行い、好みのお色に合わせ着色します。
尚、この段階で色を確定するわけではなく仕上げのクリアー自体に着色して色を重ねることによって色を確定していきますので、この段階では薄めに着色します。
この着色作業は木目をなくす塗りつぶしとは異なり、木目を生かす為、浸透型着色剤を使用します。
Step4着色ウレタンクリアー仕上
仕上げに着色されたウレタンクリアーを重ねるように3~4回吹き付けると木目を生かした着色クリアー仕上げが完成となります。
何回か吹くのを確認して頂き、色の調整をしていきます。
内部で家具調の仕上感を重視する場合にはサウンディングシーラーを行いますが、サウンディングシーラーは紫外線に弱く剥がれの原因となってしまうので、耐久性を重視する場合はウレタンクリアー自体を3回吹き付けるので、適正な乾燥時間の必要性から仕上げの作業だけでも3日間かかります。
クリアー乾燥後、外してあった金具をを取り付け、補修塗装を行い完成となります。
吹き付け中の写真は霧がかかったような画像になってしまうことと、カメラが傷んでしまうので写真がありません。上記の件、ご理解の程お願い申し上げます。