スギハラハウス

カウナスでのひと時

スギハラハウス希望の門の前で

スギハラハウス希望の門の前で

はじめての自由時間

はじめての自由時間

カウナスの優しい人々

カウナスの優しい人々

緊張から解放された笑顔

緊張から解放された笑顔

カウナスでのひと時
カウナスでのひと時
第九要塞前で偶然スギハラハウスの館長と

第九要塞前で偶然スギハラハウスの館長と

カウナスでのひと時
第九要塞博物館にて

第九要塞博物館にて

カウナスでのひと時

 昨日スギハラハウスの外壁塗装も無事終了し、早朝、完成した杉原ハウスを見に行き、そののカウナスの街を散策に参りました。

今日はメインストリートに雑貨や屋台が並ぶ日だったようで、日本で待っている家族や友人にお土産を買うのにちょうどよい一日となりました。

ボランティアとは言え、ホロ―コーストという負の歴史から国家の命令に反し多くの命を救った人道と平和の象徴であり、世界記憶遺産申請中の建物を仕上げることの緊張から解放され、ここカウナスに来てはじめてゆっくり街並み見たり、人々の表情に目を向けることができたのだと思います。

さて、この日は少し足を延ばしカウナス市にある歴史建造物の第九要塞をを見に行ってまいりました。

カウナスには19世紀に帝政ロシアが建造した12カ所の要塞がありましたが、後にそれらは要塞は破壊され、この九番目の要塞が唯一現存する要塞となりました。

第二次世界大戦の最中、リトアニアを占領したナチス・ドイツはリトアニアの各地から5万人にも及ぶユダヤ人をこれらの要塞に収容し、その多く強制収容所に送り虐殺したと言われています。

この悲惨なる歴史の教訓は、悪の芽に気付いたら、たとえ自分自身に火の粉が降りかからなくても、放置してはならないということに違いありません。

政治活動の初めから終わりまで、ユダヤ人に対する憎悪を燃やしつづけたヒトラーは、表向きは民主主義に従うふりをし、巧みに世論を扇動し、自分の気に入らないことは全てユダヤ人に結び付け、自己の妄想のまま、凶器の暴走をはじめたのです。

そして、この狂気に対し本気になって抵抗しようとしたときには、ナチスはドイツを意のままに操る強大な怪物に育ってしまった。

多くの人々が、ナチスのユダヤ人迫害を目にしても、黙って、何もしなかったからに他なりません。

ユダヤ人に対する偏見が広がり、ユダヤ人と他の人々の間に、心の壁ができればできるほど、迫害や支配が容易になり、結局は、見て見ぬふりという、傍観がナチスの論理を与することになってしまたのです。

心の状態で言うならば、いじめの構図と似ているのではないでしょうか…

キリスト教会における、反ナチ闘争の中心人物となったマルティン・ニーメラー牧師は、ナチの暴虐が進んでいくのを目の当たりにし、どのように思ったのたかを次のように回想しております。

ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった。

私は共産主義者ではなかったから…

社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった。

私は社会民主主義ではなかったから…

彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった。

私は労働組合員ではなかったから…

そして、彼らが私を攻撃したとき、私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった。

このような惨劇を2度と起こさないためには、あらゆる人々が、国家や民族、宗教などの差異による偏見や憎悪を乗り越え、同じ人間として友情を結び、傍観者になることなく、悪の芽を早期に摘み取る土壌を養っていくことこそが、迂遠のようであって、最も確実な方法なのではないでしょうか…

塗魂ペインターズの各地における塗装でできる社会貢献活動がそのような土壌づくりの一端を担うことができれば幸いです。

 

お客様と共に、地域の皆様や子供たちと共に、塗装業界の仲間と共に ...誰もが心豊かに生きる社会の実現を目指して。安田塗装の社会貢献活動

スギハラハウス

尊敬なる大野隊長3

杉原さんと同郷の大野隊長

杉原さんと同郷の大野隊長

 仕上げ塗装2日目、1日目に仕上を見て、美しく仕上がっているのを見て安心します。

前日と全く同じ作業であることや、一度塗材が塗られていることで、刷毛の滑りも良くなるのでスピードもアップいたします。

当初、完成困難と思われていた現場が、午後にはようやく先も見えはじめ、作業中の表情も和らいできました。

この数日間、どれほどの緊張感に耐えていたことでしょう…

この数日間、どれほど杉原千畝の心に思いを馳せ、心の中で彼と対話したことでしょう…

そして、どれほど、ひと刷毛ひと刷毛に、平和への祈りを込めたことでしょう…

完成し足場から降りてくるとき、大野さんの頬に涙が伝わったのをけして忘れることはありません。

 

ここに、彼が杉原さんの執務室で撮影された一枚の写真があります。

私には、この写真を見ると、不思議と、大野さんが杉原さんの肩に手を添えてるようにも見え、

杉原さんが「大野さん、ありがとう」と喜んで下さっているように見えてなりません。

ヨーロッパの諺に「深い川は静かに流れる」と

言葉は少なくても、誠実と真心で現場の陣頭指揮を執って下さった親友に、あらためて心より感謝申し上げます。

映像は9月のスギハラハウスプロジェクト完了後に作成させて頂いたものです。

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スギハラハウス

尊敬なる大野隊長2

足場の上に等間隔に並び作業開始

足場の上に等間隔に並び作業開始

尊敬なる大野隊長2

 選抜された職人が足場に上り、事前打ち合わせした通り、刷毛をクロスに動かし、下地プラスターの細かい凹凸まで塗材を刷り込んでいきます。

いつもと違うのは、作業を進める職人の間に、笑顔や和やかな会話がないということです。

施工隊長の大野さんの気持ちを察し、皆真剣であるがゆえ、打ち合わせ以外はほとんど無言です。

作業を進める一人一人には、「必ず成功させよう」との決意があったに違いありません。

このとき、職人群を指揮する施工隊長の大野さんの心中はいかばかりであったことでしょう…

この作業を2日間黙々と進めていくこととなるのです。

映像は9月のスギハラハウスプロジェクト完了後に作成させて頂いたものです。

お客様と共に、地域の皆様や子供たちと共に、塗装業界の仲間と共に ...誰もが心豊かに生きる社会の実現を目指して。安田塗装の社会貢献活動

スギハラハウス

尊敬なる大野隊長1

施工開始日、ホテルの前にて

施工開始日、ホテルの前にて

幸子夫人が植えたと言われる林檎の木の下で、

幸子夫人が植えたと言われる林檎の木の下で、

いつも施工部隊の先頭に

いつも施工部隊の先頭に

大野隊長を中心に団結する施工部隊

大野隊長を中心に団結する施工部隊

大野隊長を陰で支えるネタ場メンバー

大野隊長を陰で支えるネタ場メンバー

今回、スギハラハウス再生プロジェクトの施工の全責任を担い、足場に上り、第一線で施工に携わったのが岐阜県は大野塗装、大野将司社長、このプロジェクトの隊長です。

大野塗装のホームページ

彼は杉原千畝と同郷、根っからの職人で言葉は多くを語りませんが、責任感は人一倍強く、そして、あまりにも人の心の機微がわかる優しい男です。

今回使用する塗材は、ボランティアと言えども、私たちで決定できず、全てリトアニア文化遺産局の意向に沿うべく、どのような塗料になるのか、一か月前までわからなかったこと、

決定された塗材は、シリカットペイントといって、大理石や石灰などの粉末状の塗材とガラス水を決められた比率で攪拌し、特定の時間寝かさなければ使用できない、ヨーロッパでは500年もの間引き継がれる伝統的な塗材で、施工の難易度が高く、日本では扱われていない塗材であること、

そして、仕上げ塗装に関しては、下地のプラスターの凹凸に塗材が入らないため、ローラーが使用できず、 全て刷毛塗り、塗るのが遅く乾いたところに塗重ねてしまうと、ムラだらけになってしまい失敗してしまう材料であること、

ここような条件で、明らかに、いつものように笑顔で話しながら、たまには誰かと交代しながら、のんびりできる作業ではないことを知ります。

ムラなくきれいに仕上げるためには、等間隔に足場の上の並び、連携のとれたチームワークで、仕上げに細心の注意を払いながら、上から同時に降りてくる方法をとるしかありません。

したがって、日本からスギハラハウスを蘇生させるために、会社を空け、しかも手弁当で、8000キロの距離を超えて駆け付けてくれた腕利きの職人の中から、足場に上がれる10人程度を選抜しなければならなくなってしまったのです。

明日には作業を進めなければなりませんので、今夜中に選抜しなければならないのです。

大野隊長は、心の機微が痛いほどわかる、優しい男です。

そして、自分が職人だけに、職人の気持ちが痛いほどわかります。

「このために来たのに、現地に来て実は十数名だけしか塗れないことを知り、かつ、自分が選抜メンバーに選ばれなかったら、どんなにつらいだろう…」

そう思うと、一人一人の表情が目に浮かび、胸の締め付けられる思いとなり、涙が止まらなくなってしまうのです…

次の日、案の定、名前を呼ばれなかったメンバーの表情が曇ります。

それだけでも胸の締め付けられる思いの中、プロジェクトを成功させなけれればならなかったのです。

———つづく

映像は9月のスギハラハウスプロジェクト完了後に作成させて頂いたものです。

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スギハラハウス

スギハラハウス蘇生に向けて

スギハラハウス蘇生に向けて
スギハラハウス蘇生に向けて
スギハラハウス蘇生に向けて
スギハラハウス蘇生に向けて

 昨日までに、下地のプラスターの吸い込みムラを抑えるため、水ガラス1に対して、水2を混ぜ、プライマーとし、今日から上塗り作業です。

朝一番で、材料の確認と試験塗装を施し、塗装方法について入念な打ち合わせ後開始いたします。

このシリカットペイントの塗装は、塗装後、乾燥した後に塗り重ねてしまうと、その部分だけがムラとなってしまうので、大勢であちこちに散らばって塗ることのできない塗料です。

そこで、今回の施工は、慎重には慎重を期して、面ごとに仕上げることとなり、ある1面の足場の一番上に等間隔に並び、上から順に下に降りていく塗装手法が取られました。

足場の上にのれる人数は限られているため、あちこちに散らばって全員で手を付けることが許されず、急きょ15名が選抜され、足場の上に等間隔で並び同時に降りていく手法が取られたのです。

尚、明確に申し上げますが、この選抜は、前日の夜に初めてその必要性に迫られたため、けして技術レベルが基準に行われたことではないことを、書き留めさせて頂きます。

施工の隊長であった岐阜の大野塗装の社長にしても、心優しき故、きっと苦渋の判断であったことでしょう…

と同時に、そのことを知った塗魂の皆様が、自分が前面に出ることよりも、仲間を前面に出そうと、譲り合える器の大きさがあったからこそ、もめることもなくスムーズに進行することができたに違いありません。

本来ならば、多忙の中、自社の仕事を抜け、8000キロの距離を超えて、スギハラハウスを蘇生させるために集まった皆様です。

ゆえに、急に現地において、自分は塗ることが叶わないということをとなってしまったことに思いを馳せれば、いかに複雑な気持ちを乗り越え、仲間に譲ったかは想像に難くはりません。

ここカウナスにおけるスギハラハウス蘇生には、それだけ優しく、気持ちの大きい、仲間思い人々が集ったのです。

 

映像は9月のスギハラハウスプロジェクト完了後に作成させて頂いたものです。

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