201709/18
陰の大功労者
敬愛なるプラネットジャパン 平尾和眞様
-スギハラハウスプロジェクト 陰の大功労者-
「人間は誰しも幸福に生きる権利があり、誰も置き去りにしてはならない」
塗魂ペインターズは、9月初め、今再び、世界に漂う差別主義や国家主義の兆しの暗雲を打ち破り、杉原千畝の世界市民としての魂の鼓動を蘇らせ、「民衆による誓いの連帯」による平和実現の大切さをカウナスから世界へと発信するため、カウナスの杉原千畝記念館の再生に携わらせて頂くことができました。
お忙しい中、現地に馳せ参じて下さった皆様はもとより、寄付をお寄せくださいました皆様、日本で成功を祈り見守って下さいました皆様に、あらためまして心より御礼申し上げます。
なかんずく、予め現地に赴き、リトアニア文化遺産局との打ち合わせから、仕様決定、材料支給、材料搬入の事前確認等、このプロジェクトの根幹を、全て無償にて担って下さったプラネットジャパン平尾社長ご夫妻に心より感謝申し上げます。
この建物は、カウナス市から塗魂ペインターズによるボランティア塗装が許可されたとはいえ、市民の皆様にとっても平和の大切さを世界へと発信する大切な財産であること、また、国境を越え、世界記憶遺産の申請中ということもあり、リトアニアの文化遺産局の合意を得られなければ何も手を付けられない状態でした。
すでに日本国内においては、新聞などで、塗魂ペインターズによるスギハラハウスのボランティア塗装が決定事項として扱われていた7月になっても、実は施工仕様が何ら決定していないという状況だったのです。
そんな中、平尾社長は、自分のためではなく、塗魂ペインターズの信頼を失わせてはいけないという真心と責任感から、奥様と共にリトアニアまで渡航し、リトアニア語の通訳を雇い、友人である隣町のビリニュスのサウリウアス氏の協力を仰ぎ、十数回の打ち合わせを根気よく続けて下さったのです。
その目に見えない陰のご尽力があったからこそ、文化遺産局の背中を後押しし、施工仕様が決定され、この時点で初めて、塗魂ペインターズのボランティア施工が正式に認められたのでした。
実に、塗魂が渡航する日程の、わずか1ヶ月前のことでした。加えて、上記の段取りは、すべて平尾社長ご自身と、サウリウアス氏の手弁当で実施されたのです。
さらに、私たち塗魂本隊が赴く前日にはカウナスに前乗りされ、材料の仕入れ確認をし、二人揃って私たちを出迎えて下さったのです。
ここまでして、平尾社長が動いて下さった背景には、社長自身の誠実なる人間性はもちろんのこと、スギハラハウスをドイツ製の塗料で再生させることに、ご自身自ら、深い意味を見出して下さったからに他なりません。
平尾社長がこの材料の輸入元であるドイツ『クライデツァイト』社のスタッフや関係者の皆様の前で、今回のプロジェクトの話した折、ドイツ人の恩師が優しく微笑み、
「たとえ僅かでも、過去の歴史の償いになれることは、とても意義深いことです。平尾さん、ありがとうございます。」と声をかけられたのです。その恩師の真心に何としても応えたいという、平尾社長の深い決意があったからに違いありません。
師曰く、「陰の立場の人が本当に大切である。幹部は、その人たちの心を大切にしていかなければならない。陰の支えがあって、表舞台で活動させて頂いているということを、けして忘れてはならない」
そして、「知恩 、報恩は人間性の精髄である 。忘恩は人間性の放棄である 」
さらに、「陰で奮闘してくださっている方々への、深い感謝の思いがあってこそ、組織に温かい人間の血が通うんです。それがなくなれば、冷淡な官僚主義となってしまう。」と
このようにスギハラハウスの再生に深い意義を見出し、陰で献身的に動いて下さった方がいたからこそ、このプロジェクトが成功を収めることができましたことをここに書き留めておきます。
なぜなら、あらゆる組織は、陰の功労者に光を当て、感謝できる人間の集まりであってこそ、初めて存続させる意味があるからです。