「世界がもし100人の村だったら」を読んで
地球温暖化による環境問題の高まりの中、世界では、京都議定書の採決により温室効果ガスの削減目標などが取り決めされ、カーボンオフセットやグリーン購入などの取り組みがなされ、日本ではグリーン購入法、チームマイナス6%の推進などが実施されています。
とくに先進国と呼ばれる国は高度経済成長を経て物質的に豊かになる過程において、自覚する、しないに関わらず、環境負荷を与えてきたことは言うまでもありません。
以前、塗魂ペインターズとイーコトプロジェクトの活動に参加させて頂くにあたり、日本ペイント販売さんの社員の方々とお話しする機会があり、そのことがきっかけで少しづつ環境問題について学び始めています。
しかしながら、不自由のない日常生活を過ごさせて頂いている中、環境問題を実感として捉えられるほど感性が優れている訳でもなく、また、何かを始めようと思ったところで、「何をしたらよいのだろう」「私ひとり動いたところで何ら変わらないではないか」などの考えが過ってしまうのも正直なところです。
そんな時、ふと10年程前にネット上で広がった「世界がもし100人の村だったら」の文を読み返す機会がありました。
世界が100人の村として集約され紹介されていることで、様々な環境下の下、様々な考えをもつ人々がいること、そして、自身の恵まれた環境が身近に感じさせられてしまうのです。
折角なので全てご紹介させて頂きます。
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「世界がもし100人の村だったら」 池田香代子再話 C.ダグラス・ラミス大訳
中学校に通う長女の担任は、生徒たちに毎日メールで学級通信を送ってくださるすてきな先生です。
そのなかに、とても感動したメールがあったので、みなさんにも送ります。少し長くてごめんなさい。
今朝、目が覚めたとき
あなたは今日という日にわくわくしましたか?
今夜、眠る時
あなたは今日という日に満足できましたか?
今いるところが、こよなく大切だと思いますか?
すぐに 「はい」 と言えなかったあなたに贈ります
これを読んだらまわりが少し違って見えるかもしれません。
世界には 63 億人の人がいますが、もしそれを 100 人の村に縮めるとどうなるでしょう。100 人のうち
52人が女性です
48人が男性です
30人が子供で
70人が大人です
そのうち7人が
お年寄りです
90人が異性愛者で
10人が同性愛者です
70人が有色人種で
30人が白人です
61人がアジア人です
13人がアフリカ人
13人が南北アメリカ人
12人がヨーロッパ人
あとは南太平洋地域の人です。
33人がキリスト教
19人がイスラム教
13人がヒンドゥー教
6人が仏教を信じています
5人は、木や石など、全ての自然に霊魂があると信じています
24人は、他のさまざまな宗教をしんじているか
あるいはなにも信じていません。
17人は中国語を話し
9人は英語を
8人はヒンディー語とウルドゥー語を
6人はスペイン語を
6人はロシア語を
4人はアラビア語を話します
これでようやく、村人の半分です
あと半分は
ベンガル語、ポルトガル語、インドネシア語、日本語、ドイツ語、フランス語などを話します
色々な人がいるこの村では
あなたと違う人を理解すること
相手をあるがままに受け入れること
そしてなにより
そういうことを知ることが大切です
また、こんな風にも考えてみてください
村に住む人々の100人のうち
20人は栄養がじゅうぶんではなく
ひとりは死にそうなほどです
でも15人は太りすぎです
すべての富のうち
6人が59%をもっていて
みんなアメリカ合衆国の人です
74人が39%を
20人が、たったの2%をわけあっています
すべてのエネルギーのうち20人が80%を使い
80人が20%を分け合っています
75人は食べ物のたくわえがあり雨露をしのぐところがあります
でも、あとの25人はそうではありません
17人は、きれいで安全な水をのめません
銀行に貯金があり財布にお金があり
家のどこかに小銭が転がっている人は一番豊かな8人のうちの1人です
自分の車を持っている人は7人のうちの1人です
村人のうち
1人が大学の教育をうけ
2人がコンピューターをもっています
けれど
14人は文字が読めません
もしあなたがいやがらせや逮捕や拷問や死を恐れずに
信仰や信条、良心に従ってなにかをし、ものが言えるなら
そうではない48人より恵まれています
もしあなたが空爆や襲撃や地雷による殺戮や
武装集団のレイプや拉致に怯えていなければ
そうではない20人より恵まれています
1年の間に、村では1人の人が亡くなります
でも1年に2人の赤ちゃんが生まれるので来年は、村人は101人になります
もしもこの文章を読めたなら
この瞬間に、あなたの幸せは2倍にも3倍にもなります
なぜならあなたには、あなたの事を思ってくれている誰かがいるだけでなく
文字も読めるからです
けれど何より
あなたは生きているからです
昔の人は言いました巡りゆくもの、また巡りかえると、と
だからあなたは、深々と歌ってください
のびやかに踊ってください
心を込めて生きてください
たとえあなたが、傷ついていても傷ついた事などないかのように
愛してください
まずあなたが愛してください
あなた自身と、人がこの村に生きてあるということを
もしもたくさんのわたしたちが
この村を愛することを知ったなら
まだ間に合います
人々を引き裂いている非道な力から
この村をきっと救えます
きっと・・・
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大切なことは、環境や社会問題について「実感できる」「実感できない」に関わらず、実感できないながらも、少しづつわかるように努力しつつ、すで開始している方々の仲間に入れてもらい、まずは身近なところから「参加」という形から開始することなのでしょう。
環境破壊によって住まいを奪われることのない豊かな環境で暮らしていることを客観的捉えられるだけの余裕を持ち、同じ100人の村で暮らしながら、環境破壊によって生活を脅かされれいる村人に思いを馳せられるだけの感性を思い出したいと思います。
まずは、人生の半分以上の時間を費やす仕事を通じ、何が出来るかを模索し、塗料開発に携わるメーカー様や心ある多くの皆様と連携し、環境問題の取り組みに参加ささせて頂こうと思います。