【下地処理】の記事

下地処理

高圧洗浄時の配慮

ワグナー製高圧洗浄機

ワグナー製高圧洗浄機

洗浄中

洗浄中

洗浄前後

洗浄前後

塗装工程におけるもっと基本的で大切な工程が下地処理にあたります。

下地処理の種類は、素地研磨や不陸調整など、塗料を密着させ平滑に仕上げる準備段階ですが、その下地処理で最も重要なのが高圧洗浄と言えるでしょう。

そして、高圧洗浄で大切なのが、洗浄機自体の圧力と洗浄技術です。

また、ご近隣の配慮として飛散防止や騒音(防音)対策があります。

ホームセンターで市販されているケルヒャーの高圧洗浄機が7~8Mpaのものが多いのに対し、弊社では、ワグナー製の防音型 圧力15Mpaの洗浄機を1~2台使用しています。

そして、洗浄水が跳ね返り近隣に飛んでしまったとしてもできる限りご迷惑が掛からないように雨天に洗浄するように努めています。

ご近隣からクレームになってしまえば十分な作業はできないですし、洗浄が不十分であれば塗膜の密着不安が残ります。

あらゆることに通じると思いますが、仕上がった際に見えなくなる下地処理が重要な工程となります。

基本作業に心を砕く

下地処理 鉄部塗装

鉄骨階段の下地処理

サンダーケレン

鉄骨階段の下地処理 鉄骨階段の下地処理 鉄骨階段の下地処理

鉄部塗装におけるもっとも基本的な下地処理で、ケレン作業です。

ある程度錆が進行していることや、錆が広範囲にわたっていますので、作業効率と費用対効果から考慮し、サンドペーパーやマジックロンのような手工具ではなく、サンダー等電動工具で錆部分を除去していきます。

ちなみに日本ペイントのサイトの用語解説では下記の通り解説されています。

主に鉄部に生じた錆びや付着汚れを落したりして被塗装面を清浄にする作業のこと。英語のクリーン(Clean)に由来するといわれる。1種から4種のグレードがある。1種ケレンはブラスト法により、黒皮、赤さび、旧塗膜を完全に除去し、清浄な金属面とすること;2種ケレンはワイヤーブラシや電動工具を用い、赤さび・旧塗膜を除去し、鋼面を露出させるが、完全な除去は難しい;3種ケレンは赤さびと劣化塗膜を除去し、鋼面を露出させるが保護膜として機能している旧塗膜(活膜)は残す;4種ケレンは白亜化で生じた粉化物やその他汚れを除去し、活膜を残す。一般住宅の塗り替えでは3〜4種ケレンが一般的。

1種と2種は橋梁や道路橋に適応されるケレン法で、行うにあたり作業環境を整えることと作業人件費に莫大な費用がかかりますし、費用対効果から考慮しますと過剰な作業になりますので、住宅やビルで採用されることはなく、3種と4種が適応されることがほとんどです。

日本ペイントの用語解説は塗装用語についてわかりやすくまとめられています。

用語解説

下地処理

パターン補修

リシン模様の復帰

カチオン系フィラーによる段差調整

カチオン系フィラーによる段差調整

パターン補修後

パターン補修後

パターン補修とは剥がれた塗膜の段差調整後の処理です。

塗膜の剥がれた部分はもともとのリシンの凹凸のパターンがなくなりましたので、新築時にパターンに合わせリシンを吹き付けます。

パターン(模様)補修ともパターン復帰とも呼ばれる工程です。

ここまでで下地処理が完了し塗装工程へ移行することとなります。

下地処理

不陸調整

既存塗膜剥離後の段差調整

高圧洗浄により脆弱塗膜が剥離

高圧洗浄により脆弱塗膜が剥離

セメント系フィラーによる不陸調整

セメント系フィラーによる不陸調整

経年劣化によって塗膜は密着力が弱まり、高圧洗浄によって剥がれてしまった部分の下地処理です。

散水と赤外線調査によって、雨漏りは考えにくいと思われましたので、原因はクラックなどのひび割れから雨水が塗膜の内側に入り込んだことが原因と考えられます。

高圧洗浄後剥がれてしまった塗膜の周囲も脆弱なので、をさらに金ベラなどの工具で剥がします。

既存塗膜はリシンの吹付で、1mm程度の膜厚がありますので、カチオン系フィラーで段差を埋めます。

下地処理

高圧洗浄は雨に日に

ご近隣様のご配慮

洗浄は雨天の日に

洗浄は雨天の日に

高圧洗浄機

高圧洗浄機

東京23区内は地方と比較しますと住宅が密集し、お隣同士がとても近いのが特徴です。

足場をお隣の敷地を貸していただくことや、空中にて越境してしまうことのご了承を得ることもしばしばです。

そして、晴れの日は洗濯物が外の干されていることがほとんどです。

適切な下地処理のため、きれいに洗浄するには相応の圧力(弊社は150kg/c㎡)で丁寧に(相応の時間をかけて)洗う必要がありますが、この場合、洗浄水が近隣跳ね返る可能性も大きくなり、外の洗濯物が干されている場合、汚してしまう可能性が大です。

週間天気予報を確認し晴天の日が続く場合は、ご迷惑をおかけしないように、洗濯物を外に干さないようお願いするのですが、できればご近隣様の生活のリズムまで崩してしまうのは避けたいところです。

そこで、弊社ではできる限り雨天の日に洗浄させて頂く事としています。

工期が長くなってしまいますので、お施主様のご理解の下、足場を建て、数日空けさせて頂き、雨天に日に結構致しました。

高圧洗浄機は、ワグナー製 防音型 150kg/c㎡ 2台使用して丁寧に洗浄させて頂きました。

基本作業に心を砕く