201305/21
木部塗装1
木製玄関ドア
ご質問やお問い合わせを頂ける内容で多いもので、木部の塗装があります。
外部ですと木製玄関ドア、木製ガレージドア、ウッドデッキなど、
内部ですと無垢フローリングのお問い合わせをいただくことが比較的多いです。
コンテンツでも木製玄関ドアについての施工をまとめさせて頂きますが、先月施工させて頂いた玄関ドアについてご報告させて頂きます。
木製玄関ドアでもキシラデコールやシッケンズなどの浸透型の木材保護塗料で仕上がっている場合と、造膜型の着色でウレタンクリヤーで仕上がっている場合があります。
今回は木製玄関ドアの着色ウレタンクリヤーでの塗り替えについてご紹介させて頂きます。
一番上の画像はもとは着色ウレタンクリヤーで家具調に仕上がっていたもので、途中何回かはニスなどでメンテナンスを施したようですが、1年くらいで剥がれてしまうということで、ホームページよりお問い合わせを頂き施工させて頂くこととなりました。
このような仕上げの場合、旧塗膜が劣化していて、もともとの塗膜を完全に剥がし、中まで染み込んだシミや汚れを抜かなければきちんと仕上げる事が出来ません。
そこで、剥離剤という薬品を使用し既存塗膜を全て剥がすことから始まります。
この玄関ドアは、ご覧のように比較的凹凸が多いので、細かい作業が必要となり、剥がすだけで丸1日かかります。
全面剥離が完了すると木製ドアの素地が出てきますので、表面に染み込んだシミや汚れをあく洗いにより抜いていきます。
この作業は数種類の薬品を使用しますので洗い技術は必要となるものの、全面剥離作業ほど労力はかからず、半日程度で作業を終了する事が出来ます。
但し、あく洗い後、使用した薬品を完全に水で洗い流すこと、そして、何より十分乾燥させることが大切なので、2日目はこの「しみ抜き」作業で終了となります。
3日目からようやく塗装作業に入ります。
ここでは画像がありませんがまずは着色剤をはけで塗装し、2液のウレタンクリヤーを着色したものを重ね塗りしていきます。
但し、塗装し、乾燥させてから次を塗らなければならないという、塗装作業の性質上、1日に5回も6回も塗り重ねることはできません。
また、触れた際の木肌感をよくするため、厚膜が形成でき、塗装後比較的早く乾燥し、サンドペーパー研磨によって木肌を整える事の出来るサンディングシーラーは塗膜の耐久性を落としてしまうので使用することはできません。
結局、今回は着色ウレタンクリヤーの6回の吹付を2日間かけて施工させて頂きました。
結論を申し上げれば、美感と耐久性を両立させるためにはそれなりの労力と日数が必要になり、それに伴う適正な費用が発生いたします。
今回ご依頼いただいた経緯は、思い出多き玄関ドアということで、何とか維持延命してもらいたいとの強い要望を受け施工させて頂くに至りました。
住まいは単に屋根や壁に覆われた単無機質な部室ではなく、家族の思い出が染み込み、日々に息づかいが感じされる特別な場です。
たとえお金があったとしても、建て替えや交換ではけして残すことのできないものがあります。
古いものを大切に使用し、塗装によるメンテナンスを繰り返していくことでしか得られない心理的財産を残す事が出来る職業として誇りを持って前進していきたいと思います。
ご参考までに費用ですが、
●既存塗膜の全面剥離
●薬品によるあく洗い
●着色ウレタンクリヤー
上記工程を一人の熟練職人が、4日間かけて施工させて頂き、費用は税抜¥200,000となります。
●参考コンテンツ