200911/07
縁切り部材のタスペーサー
画像は、下塗り材であるシーラー塗布後、縁切り部材のタスペーサーを取り付けている様子です。
(東京都調布市飛田給)
さて、なぜ、スレート屋根(コロニアル)の塗り替えにおいて「縁切り」が必要なのか申しますと、
もともと、屋根の重なり部分は雨水の排出や通気のため適正な隙間があります。
スレート瓦の屋根塗装の際、塗装工程の三工程(下塗り・中塗り・上塗り)を行いますと、多くの場合、この重なり部分に塗料が入り込んで塞がってしまいます。
この状態ですと、雨や雪が降った場合、毛細管現象※により、雨水を吸い上げてしまい、なかなか雨水が抜け切らないという悪循環が起こりはじめます。
そして、この状態を放置してしまいますと、下地合板を腐食させたり、最悪の場合、塗装したによって、かえって雨漏りが生じたというケースもあります。
このようなことを起こさない為、塗装工程終了後、「縁切り」という作業が必要になります。
しかし、この「縁切り」作業は労力がかかり※、また、注意深く行わないと、折角塗装した部分に傷をつけてしまったり、スレート瓦を割ってしまう危険もあります。
また、縁切りした後にし、ばらくして、また密着してしまうということもあります。
そこで、この縁切りの労力を半減し、かつ、塗装しても重なり部分に適正な隙間を確保し、縁切りの必要性をなくすことが出来る縁切り部材が「タスペーサー」です。
このタスペーサーを、スレート瓦一枚当たり2箇所、適正な場所に差し込むことで上塗り完了後も適切に隙間が確保され縁切りを行ったと同様の効果が得られます。
※縁切りの労力
日本の平均的な住宅で、延べ床面積30坪程度の総二階の屋根ですと70~80㎡の面積があります。
この面積の縁切りで大凡2人で1日(2人工)の労力を要します。
タスペーサーの場合は、1人で半日から2/3日で、材料費がかかるものの人件費は半分以下に抑えられ、かつ確実に通気を確保することが出来ます。