201905/16
八重山塗膜暴露視察1
日本ウェザリングテストセンター
建物以外でも、自動車や橋梁、工業製品など塗料はあらゆるところに使用されています。
ある一つの塗料が研究開発され、塗料整品と市場にであるためには、その製品が目標とする耐久年数に達するか否か試験を経て初めて市場に出てきます。
試験法には大きく分けて二つあり、
①人工的に暴露環境をつくりだすサンシャインウェザーメーター等による促進耐候性試験
②直接的に自然環境に晒す屋外暴露試験
があります。
近年、耐久性の高い塗料が開発されますと、屋外試験場では結果が出るためには数年かかってしまうので、サンシャインウェザーメーターによる耐候性促進試験が進んでおります。
しかしながら、サンシャインウェザーメーター試験を通し合格と判断され、期待耐久年数が10年以上と唄われ、堂々と新製品が市場に登場し、屋根や壁に塗装されたものの、試験結果とは全く異なり、数年のうちに、退色から細かいひび割れへと劣化が進行し、終には販売停止となり、市場から消えていく塗料もあります。
残念ながら、現在いかに科学技術が発達し、自然に近い暴露環境をつくった最新設備と言えども、実際の屋外暴露環境に勝るものが出来ていないのが現状です。
実は、過去の話とは言えども、当社も、大手メーカーの塗料事業部による画期的な新製品を使用したものの、数年のうちに見るも無残な状態となってしまい、再度施工をやり直した経験があります。
その際、穏やかではありますが、お施主様より
「メーカーが良いというものをそのまま信じ施主に進め、問題が起きた場合は、たとえ塗料に問題があっても、メーカーの情報を鵜呑みにしてしまった施工店の塗料選定ミスと捉えるべきではないか」
との言葉を真摯に受け止めさせて頂き、特に新製品の仕様に関しましては慎重になり、カタログやウェブに表記された言葉だけでなく、自社で使用し続けて期待通りの耐久年数をだしているものや、メーカーの技術部の方やできれば開発に携わったご本人に直接お話をお伺いすること、同業の友人に確認して、友人が信頼して使い続けている塗料をお施主様に提案させて頂いております。
さて、屋外暴露試験場の公的機関である日本ウェザリングテストセンターでは北海道の旭川暴露試験場、千葉県の銚子暴露試験場と沖縄県の宮古島暴露試験場があります。
百聞は一見に如かず
東京を拠点とする当社にとって積雪よりも紫外線や酸性雨、そして海塩粒子を含む塩害による塗膜の劣化状況の確認のため、まずは東京の3倍の紫外線で暴露結果が顕著な宮古島のウェザリングテストセンターを見学してまいりました。
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