202401/10
塗り替えよりも大切なこと
散水調査
塗装工事をお見積のご依頼を頂いた際に塗料の耐久性や工程について聞かれることがほとんどですが、口には出さなくとも、依頼主の本当の目的は塗膜それ自体の耐久性や美観よりも、建物全体の維持と延命に違いありません。
となりますと、塗料の選定や塗装工程よりも大切のことがあります。
それは、足場を立てた際に漏水形跡や腐食部分などの不具合を確認された際に何が要因で、どのようにすれば、漏水を留め不具合を進行させないかということとなります。
その詳細について、私の友人で雨漏り診断士協会の理事でもありリペイント湘南の原田社長のコンテンツがありますのでご紹介いたします。
曰く
「どうして建物が傷んでくるのかといえば、それは、新築時から建物に潜んでいる「不具合」によってなのです。
「不具合」といっても、施工不良とか、そういう次元の問題ではありません。もちろん、いい加減な設計や施工によって、不具合ができる場合もあります。でも、多くの場合、特段ひどい造りではなくとも、どうしても起きてしまうものなのです。
そういった不具合は、ふくれやはがれ、ひび割れといった現象として、だんだんと顕在化してゆきます。ですから、ふくれやはがれ、ひび割れは、不具合ではありません(いわば「劣化現象」です)。不具合とは、その劣化現象の原因となっている納まりの不備のことを指すのです。
先ほどの写真でいえば、塗膜がはがれていることが劣化現象であり、その原因となっている、してはならない箇所へのシーリング施工が不具合です。あの状態で、はがれた箇所を塗装したところで、原因が解消されていないわけですから、すぐにはがれてしまいます。そこで、原因となっているシーリング材を撤去し、撤去したままの状態で塗装することが求められるのです。
このように、建物を維持するための工事となるためには、不具合を見つけ出し、あるべき姿に変えてあげることが必要なのです。
「新築のように元に戻す」という考えでは、建物を維持させることはできないのです。このことをして、私は、「塗り替え工事」ではなく、「改修工事」であるべきだと提唱しています。」
本日は、昨年末より塗り替え工事に携わらせて頂いている現場にて散水調査をさせていただきました。
ベランダ内からの漏水は明確なので、漏水の原因を特定するために、時間を置きながら各ポイントごとに散水を行い、漏水個所と漏水状況を観察し、原因を特定してまいりました。
今回の散水調査によって漏水の原因と雨樋の不具合が確認されましたので対処してまいります。