201010/22
道具選び
施工品質を支える優れた工具
現在、大規模マンションの鉄部塗装工事に入らせて頂いております。
鉄部塗装の工程の際は、振り返ってみますと何度も同じことを書いていますが、鉄部塗装において最も重要な工程が、下地処理に当たる『ケレン』と呼ばれる錆落としの工程です。
この『ケレン』という工程、どの程度行うかによって、その労力も変わってきますし、それに応じて費用も全く異なるため、次のように分類されております。
・2種ケレン:電動工具と手工具を併用し、錆びている部分はもちろんのこと既存塗膜を全面除去
・3種ケレン:電動工具と手工具を併用し、錆びている塗膜は除去、錆びてない既存塗膜は残す。
・4種ケレン:全体的にサンドペーパーやワイヤーブラシなどの手工具をあてる程度
尚、1種ケレン:サンドブラストまたはショットブラストという機械を使用し、既存塗膜の全面除去し光沢のある表面にするというケレン方法のありますが、作業上の問題から建築の現場塗装ではほとんど適応されません。
さて、上の分類からいいますと、電動工具を使わず、手工具だけ使用しての『ケレン』ということから、分類的には、4種ケレンとなり、こちらでで行っている下地処理は最も基本的で最低限のケレンということになります。
しかし、たとえ4種ケレンだからと言って、誰が行っても一律に全く同じ状態となるわけではなく、施工会社ごとによってそれぞれ異なりますし、もっといえば、施工する『人』によって異なります。
さて、人の違いや仕事に対する姿勢は仮に置いといて、限られた予算内にあって施工品質を高めるには、仕事の効率を高める『道具選び』が重要となります。
それは、どんなに仕事に対する姿勢が真面目であっても、どんなに一生懸命行っても、使っている道具の作業効率が悪ければ施工品質が劣ってしまうためです。
特に、『ケレン』では、発錆の周辺や手摺の付け根付近の旧塗膜の剥がしなど、細かく根気のいる作業のため、『優れた工具』が力を発揮し、施工品質を支えるといっても過言ではありません。
この『超硬スクレーパー』はタガネよりも軽く、皮スキよりも力を入れることなく、旧塗膜を剥がすことが出来ます。
これに、ワイヤーブラシやサンドペーパーなどを併用することで、電動工具を使用しない4種ケレンであったとしても、相応の施工品質を確保できる下地処理が可能となります。
施工品質の向上には、施工会社だけの努力だけではなく、塗料メーカーとの連携だけでもなく、塗装に携わるあらゆる方面との連携が大切であるゆえんが、このような場面でも感じることができます。
超硬スクレーパー(土牛産業)