塗り替えの必要性と時期
なぜ塗り替えが必要なのでしょう?
大切なお家を雨や紫外線から守ってくれる塗料の働きを知って、
最適な時期に塗り替えをしましょう。
なぜ塗り替えが必要なのでしょう?
「きれい」を守る。紫外線をはね返す。未来ダメージ予防型。
これは、以前、目にした、日焼け止めクリームについたコピーですが、塗装(塗料)の効果を的確に表現した文といえるでしょう。
私たちの生活は住まいによって守られているといえます。
その住まいは屋根や外壁に守られているわけですが、屋根材や外壁材を雨や紫外線から守っているのが1ミリにも満たない薄い塗膜なのです。
この塗膜には寿命(耐用年数)があり、新築時に使用されている塗料で5~6年、現在新しく開発されているフッ素樹脂塗料※でも15年前後といえます。
それに対し日本の住宅の平均寿命はおおよそ30年、この住宅の建材を保護している塗膜が劣化し痛んでしまうと屋根材や外壁材などが直接雨や紫外線を受けてしまうことなり、住まいの構造体の劣化や雨漏りの要因ともなってしまいます。
ゆえに、お住まいを守っていくためには、住宅の一生の間に2~3回、表層の塗膜の寿命に応じて屋根材や外壁材の「塗り替え」が必要となってくるのです。
そして、この塗り替えによって、新しく色彩を変えることが出来ます。
これは、単に建物を保護するに留まらず、外壁や屋根はもとよりやバルコニー廻りや玄関周りなど好きな色でメイクアップすることができ、お住まいやお住まいのご家族にとって、きっと大きな付加価値を与えてくれることでしょう。
そして、このメイクアップは色彩と色彩が与える心理的影響を巧みに利用することでより効果を発揮することが出来るでしょう。
塗り替え時期の目安について
では、定期的と申し上げましたが、いったいどの程度のタイミングでメンテナンスが必要なのか見ていきましょう。
表はそれぞれの素材(部位)の種類に応じた大凡のメンテナンスサイクルの期間です。
尚、実際には紫外線のよくあたる南側や直射日光に当たりづらい北側など、同じ建物であっても面によって劣化の進行度が異なってきますし、風の通りやすい場所や湿気のこもり易い場所など、状況によっても異なってまいります。
外壁 | 吹き付け | 6~10年 |
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サイデイング | 10年 | |
ALCパネル | 10年 | |
屋根 | カラートタン | 5~8年 |
スレート(コロニアル) | 10年 | |
木部 | 3年 | |
鉄部 | 3年 |
塗り替え状態の目安について
次に、どのような状態になったら塗り替えが必要なのか、もう少し具体的に見ていきましょう。
下記は主な部位(場所)のメンテナンス必要時期の症状と原因です。
尚、対処法として塗り替え前の必要な下地処理を書かせていただきました。
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- 部位
- 外壁<モルタル吹き付け面>
- 症状
- ところどころにクラック(ひび割れ)が生じ始める
- 原因
- 紫外線による経年劣化、新築時のモルタル乾燥の不十分や地盤の弱い立地
- 対処法
- ヘアークラック(表層部分のひび割れ)の場合は下塗り材の刷り込み、構造クラック(深部に達するひび割れ)の場合はUカット後シーリング処理
-
- 部位
- 外壁<モルタル吹き付け面>
- 症状
- 藻やカビの発生
- 原因
- 太陽光が届かない、湿気のこもり易い立地(隣地や北側)
- 対処法
- 100㎏/c㎡以上の高圧洗浄
-
- 部位
- 外壁<モルタル吹き付け面>
- 症状
- 塗膜の膨れや剥がれ
- 原因
- 経年
- 対処法
- 高圧洗浄や手工具、電動工具による既存塗膜の剥離
-
- 部位
- 外壁<サイディング>
- 症状
- 目地や窓周りのシーリング部に亀裂
- 原因
- 紫外線による経年劣化、新築時に適正な厚みがとられていない場合などは5年程度でも見られる場合があります。
- 対処法
- シーリングの「打ち増し」、「打ち替え」
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- 部位
- 外壁<ALCパネル>
- 症状
- ALCパネル目地や窓廻りのシーリング部に亀裂
- 原因
- 紫外線による経年劣化
サイデイングと同じく、新築時に適正な厚みがとられていない場合などは5年程度でも見られる場合があります。 - 対処法
- シーリングの「打ち増し」、「打ち替え」
-
- 部位
- 屋根<スレート瓦>
- 症状
- 藻やコケの発生
- 原因
- 経年劣化
- 対処法
- 100kg/c㎡以上の高圧洗浄、150㎏/c㎡以上及びトルネード洗浄が好ましい
-
- 部位
- 鉄部<手摺、鉄骨階段‥>
- 症状
- 錆の発生
- 原因
- 経年による鉄の酸化
- 対処法
- 手工具や電動工具(サンダー)によるケレン(錆、劣化塗膜の除去)
- ポイント
- レベルの高い錆止め塗料や上塗り塗料を使用することより、どの程度ケレンするかがもっとも肝要のため、塗料にランクで費用をかけることより、ケレンの人件費に費用をかけることのほうが大切といえます。
-
- 部位
- 木部<木製破風、ウッドデッキ‥>
- 症状
- 既存塗膜の剥がれ
- 原因
- 経年劣化
- 対処法
- 手工具や電動工具(サンダー)による劣化塗膜の剥離
塗り替えの最適な時期について
塗膜の劣化の仕方は通常下記のような順序で起こってきます。
- 1. 艶が落ちてくる
- 2. 色の彩度が落ち変色してくる
- 3. 表面が粉っぽくなってくる(チョーキング現象)
- 4. ひび割れ、コケが生えてくる
- 5. 塗膜が剥がれてくる
塗り替えは、早いに越したことはありませんので、4の段階以前が最適な時期といえますが、費用対効果の視点から、遅くても5の段階より前が良いでしょう。
5の段階になると、住まいを形成している素材自体がそのまま外部の環境にさらされている状態になるので、建物自体の劣化にもつながります。素材自体の劣化や腐食となってしまいますと、塗り替える為には、劣化素材の交換や余分な下地処理が必要になり、その工程に応じて費用がかかってしまいます。
また、鉄部や木部は外壁や屋根に比べて劣化の進行が早いので、少しでも剥がれたらご自身で補修塗装しておくことが、費用をかけずに長持ちさせる秘訣になります。